49 芸能人の炊き出しとは何だったのか

芸能人の炊き出しなど、心温まる話がたくさんあったと思う。中には売名と揶揄する人もいたようだが、実際はどうだっただろうか。

「あいつら、わがままなんですよ」

まとまった土地の使い道の責任を持つ某市の某氏※は芸能人の炊き出しの打診電話の内容を振り返って語ってくれた。

※凄い遠回しな表現だが、これで容赦していただきたい。

そこに出てくるのは、炊き出しでもかなり有名な、何日もテレビで紹介されたような集団の名前だ。
そして、こんな打診してきた集団は一つではない。

「本人たちが電話してくるわけではなくてマネージャーなんですが、食物とかは持って行ってやるから、水用意しろって言うんです」

――えらい上から目線ですね。そして水ですか。それはあの状況を何も解ってないですね。

水は「圧縮」できない。運ぶときに最も邪魔になる。オレンジジュースは粉末で運ぶことは出来る。しかし運んだ先に水があるとは限らない場合、ただの粉だ。
そして人間に最も必要なものの一つだ。

「無理だよそんなの。全部自分で用意してくれって言いました。そしたらなんだかんだで結局水用意するから来てくれって言った○○○○所が受け入れた」

地域住民にとって心安まる一時を提供出来たと言う意味はあるだろう。(雨後の竹の子のようにファンが押しかけて酷い状態になったという話もあるようだが)

もちろん、全部がそうではない。

「たとえば超大物の○○選手とか、マスコミが嫌いなので、マスコミに絶対言わないでくれ、っていうことでコッソリ来てましたけどね。
あとでみんなになんで言ってくれなかったんだ、って責められて大変でした」

実際に売名としか思えない、被災地の負荷を上げた炊き出しは確かに存在した。
そのくらい、水は酷い要求なのだ。

もし、あなたが炊き出しをしていた芸能人のファンだったのなら、それはそういった要求をしなかったと信じてあげて欲しい。
マネージャーの暴走かも知れない。そうだろ?