45 震災ストレス

東京は明るく、蛇口をひねれば水が出る。火も付く。
かつ何よりも、人が歩いている。
滅亡した土地にいた自分には眩しいような不思議な感覚だった。

恐ろしい事にインターネットが繋がっているので(平時なら当然のことなのだが)、とりあえず私が安否確認システムGoogleParsonFinderに掲載されていたので「無事」と入力する。

 

暮らしは便利だが、当然話は通用しなかった。

「新沼さんは内陸に住んでいるから影響はなかったはず」
という話が出来ていたり、
「津波の話を聞かせて欲しい」
と言われて津波の恐ろしさと音やにおいの凄さを伝えたときに、帰ってきた返事はこうだ。

「まるで見てきたように話しますね!」

40mの遡上で沿岸を滅ぼした津波はテレビに映された2次元のデータに過ぎず、ドキュメントっぽい雰囲気を出した映画やゲームと何ら変わらない。遥か遠いおとぎ話なのだ。
「ひとつ曲がりゃ他人事」である。
私は「話せば通じる」と思うことを早々にやめた。
ここでの話題はせいぜいが帰宅難民でいいのである。

例によって、これはしょうがない。一輪車は1万回見てもいざやってみると転ぶ。
奥尻島の30m遡上した津波で警告を受け取った人は見たことがなかったし、石垣島の80mともいわれる津波を警戒している原発は一基たりとも無い。

人間は体験しないと何も得ることが出来ない。
(特に大人になると、物事に足を使ってないのにアテを付けて何か口を出したりする。気を付けねば・・・・)

結果だけを求められる経済活動に一気に引き戻される。このギャップは越えられるものではあるが、かなり大きい。詳しくは所感で述べる。
災害後などに直面するストレスによる悪影響は半年以上も不眠症が続くことになるなど様々な不確定要素があるといわれているが、たとえば「戦争における人殺しの心理学」では特に急激に「共感の無い状態」に放り込まれたときに注意すべきだといっている。
今回戦争ほどでは無いにしろ、なんらかの悪影響が必ず発生すると判断した。そしてそれが取り返しの付くうちに対策を打っておくのだ。


何となくここまで読み進めて戴いた読者にはおわかりになってくれるかも知れないが、私は「自分なら大丈夫」という考え方を絶対にしない。かなり慎重になるタイプである。
この考えは「自分らしさ」「個性」は自分に手を抜くための言い訳に使われる事が多いからだろうか?
「僕は~だから」を立ち向かっていくような場面で使う人物に滅多に合ったことがない。
そしてそれは明らかに能力不足ではなく、たいていメンタルが十分にトレーニングされていないだけな気がする。

しかも今回は出向による1日8時間の単純労働の他に、自社の仕事がある。
震災ストレス抜きでも、これは労働内容だけで厳しい。

 

■震災ストレス用準備物
震災ストレス対策は鬱対策と同様であると仮定する。私は鬱病になった事はないが、自分が特別にならないとは決して思わない。
むしろ0.1秒後にも鬱病になっているのではないかと考えることの方が多い。

■睡眠への心構え
寝られないときでも、目を閉じてじっとすること。無心を意識しつつも意識しすぎないこと。寝られなくても焦らないこと。睡眠不足は様々な要因も孕み、鬱病に直結する。

■食事への心構え
決して食べ過ぎないこと。特に多めの脂肪は控える。直接鬱病に直結する。また、肥満による活動力の低下、社会的立場の少なからぬ低下による鬱病に繋がる可能性がある。
決して食事を抜かないこと。疲労、またそれからの鬱病を遠ざける。

■何が起きても愚痴は言わない
特に環境や他人への愚痴は自分の精神を甘やかす効果がある。特にジョークにならない愚痴は避けるべきだと判断した。自分への愚痴も許されない。大抵何とかなるからだ。
脚は歩かなければ歩かないほど折れやすくなる。

■朝食
1.マルチビタミンとミネラル 朝に取ることにより、1日にわたって活発に活動できる。疲労、また疲労感からの鬱病を遠ざける。
2.多めのビタミンDとカルシウム 日光を吸収しているのに近い効果がある。鬱病を遠ざける。
3.タンパク質を多く含むもの。(ここではプロテイン1杯) 鬱病を遠ざける。筋肉を保ち、社会的立場の(略
4.全粒粉100%のパン1枚 消化吸収に時間がかかるため、長期にわたって活発な活動を可能とする。疲労、また疲労感からの鬱病を遠ざける。
5.ジャムは砂糖を使っていないもの。砂糖は血糖値が急激に上がるがまた急激に下がるため、午前中にだるさが生じる。これは作業を鈍らせないことにより、社会的立場の失墜による鬱病を遠ざける。
6.目玉焼き3つ 様々な効果があるが、例えばビオチンという成分が人間の活動を活発化する。火を通した卵はその養分の吸収効率の上昇に加え、菌の消毒が行われ安全である。

■昼食
1.全粒粉100%のパン1枚 消化吸収に時間がかかるため、長期にわたって活発な活動を可能とする。疲労、また疲労感からの鬱病を遠ざける。
2.無添加のピーナツバター、クセにならない程度の人工甘味料。ピーナツバターは不飽和脂肪酸という良質の脂肪を持ち、(特に男に効果があるといわれるが)鬱病を遠ざける。良質の脂肪は体格の維持にも役立ち、社会的立場の(略
3.タンパク質(混合プロテイン) 鬱病を遠ざける。筋肉を保ち、社会的立場の(略

■間食
1.コーヒーなどは無糖で出来れば良質の深煎りを。砂糖は説明したとおりで、また、深煎りは胃を痛めないとされ、適度なカフェインは活動力を上げる。
2.プロテイン (同上

■週3回以上のジム
1.”ハードな”トレーニングは肥満による活動力(略 また、セロトニンという物質が分泌され、とてつもなく強力な抗鬱左様がある。
2.ウエイトトレーニングは中でも効果が強いとされている。ジムは高級なアンチエイジング用のマシンばかりで構成されたような上品すぎるところではない。

■トレーニング後・夕食
1.混合プロテイン (同上
2.マルチビタミン・ミネラル (同上
3.全粒粉のパン (同上
4.砂糖を使っていないジャム (同上

■就寝前
1.混合プロテイン 就寝前に取ることにより、就寝中の回復を促す。
2.亜麻仁油 これ