61 仙台 1

「ここに二つ市があったはずだね。名取市と、仙台市。なんというか、松島まで見えそうだ」

砂を靴で噛みながら閖上の神社に立つと、あまりにも見晴らしの良いその光景は、今後生まれてきた子供にここに街があったと言っても信じてもらえないのではないかと思えるものだ。

 

from_yuriage_to_sendai
「原爆という人災よりも、自然の力はさらに恐ろしかった」

広島で原爆被害にあった女性。中国新聞社より。

■被災面積を数値で比較

・第二次世界大戦のヒロシマ・ナガサキ含む空襲被害総面積 640平方キロメートル

・東日本大震災の浸水地域 561平方キロメートル
・福島原発居住禁止区域 約1100平方キロメートル

sendaiwan

冒頭の写真は名取市閖上地区の神社より北方面を撮影。壮大な地平線がある。
仙台湾を襲った津波は内陸6kmまで到達。沿岸のことごとくをさらった。
これは原爆被害に遭った女性が語ったとおり、被害面積という意味では原爆を圧倒する。
この神社は象徴的な場所である。

Japanese town of Yuriage ‘wiped from the map’
ユリアゲは地図から”水拭き”された – BBC イギリス


神社は津波から残った、やっぱり先達はすごい!という意見はある。ただ本当に昔からある、津波を避ける位置のもの以外結局流れた。
古くからあって生存していったものが残るというものもあれば、ここまで津波が来るぞという本当に目安となる(津神社、浪分神社などモロな名前が付いている)ものもある。
それは歴史に詳しくないと判断が難しい。避難の時の目安にするのは危険である。高い所に逃げよ!(まあ私もお堂に居たわけだが・・・)

ちょっと考えて見ることにしよう・・
海岸から自動車を使わずに避難できるだろうか・・
もしくは、する気になるだろうか・・

市は自動車での避難は推奨していないが、結局自動車しかないという広大さが仙台平野には多分にある。

様々な要素で閖上の人的被害は拡大する。