67 宮城県気仙沼市

kesennnuma_2

「なんだか先いけなくね?」
その突っ込みに私はイマイチ怪しくなった記憶の中を探ると、あの屋根が乗った高架は気仙沼線だったか・・・?思い出してきた。
「・・・・失礼、ナビに従いすぎた・・・」
しかしここまで破壊する必要もなかろうに。

C-3-1
C-3-2
C-3-3
C-3-5
C-3-6

C-5-1
C-5-2
C-5-3
C-5-5
C-5-6

真新しい木の棒にはこう書かれている。4の数字はない。
気仙沼市の身元不明遺体は1年過ぎた現在でも70体以上。

宮城県気仙沼市は憶えているかわからないが、この話が始まった頃に我が家に立ち寄った生存者が渋滞に捕まって被災した場所だ。津波火災でも語らせて貰った。

kesennuma

kesennuma_3

 

宮城県気仙沼市
人口 68,765名
死者 1,032名
行方不明者 324名
(気仙沼市発表 人口は当時のもの)

「気仙沼市では市内全域で大規模な火災が発生しています・・・」
(当時のラジオ)

気仙沼市はとにかく渋滞する。沿岸沿いに宮城から岩手に抜けようとすると渋滞に捕まる場所がいくつかある。
仙台~松島の断続的渋滞、そして気仙沼。そのうち気仙沼以外は高速道路が開通。快適になったはずだった。それでも、冬にはノーマルタイヤでやってくる何もわかっていないドライバーが一車線しかない高速を事故で止め、気が狂うような渋滞を呼び起こす。

例によってまた渋滞なのだが、気仙沼はそもそも特別な理由が無く渋滞する場所だ。
震災時は渋滞だけではなく、地盤沈下、液状化、倒壊した塀が道路に転がり、自動車が通行不能になる場合も多い。有事は全てが有事であり、普段の当たり前はつくづく役に立たないのである。

例えば、海沿いでスーパーやデパートに車を止めるとき、一階ではなく上階に駐めておくと津波から車が助かるかも知れない。(助かった車も隣の車にぶつかって自車のだけではあるが、修理代を払うハメになりちょっとガッカリすることもあったが・・・・)

この三陸沿岸に共通する2010年発生した「チリ地震津波」が警報の割に1m強であまり大した事がなかった、という「何も起きなかった警報は無価値化する」という習性も悪い方向に左右した。
人間はつくづく、慣れ、安心で手を抜いてしまうのである。

「地盤沈下だ」
気仙沼港は大幅に地盤が沈下し、湾港は大きい被害を受けた。宮城県北部にある港の中でも人気のあった気仙沼港ではあったが(この人気がある港、無い港を語っていくだけでこれまた成功例失敗例で 私に完成させるのは無理だが 一冊出来上がるわけで・・・)、かさ上げが必要になってしまったため復旧にかなりの時間がかかる。

地盤沈下で生じた漁港の被害は大きい。だが、なんでか知らないが魚やウニなどは非常にたくさんいたらしく、2011年は豊漁だという。
フカヒレで有名で、ラーメンに入れる必要性は不明だが、そもそもフカヒレはスープで愛されているので親和性が高いのかも知れない。実はこのフカヒレラーメン、通になかなか人気がある。本当においしいのかも知れない。
ちなみに被災前の南三陸町では、とにかくアワビだったという。給食のカレーにさえアワビが入っているのに教員として就職した同期が文句を言っていた。

_DSC3384