大津波 7

15:48
水位とても高い。
沢の流れのような音。

島の一つを結ぶ低い防波堤が完全に水没。
水が防波堤にぶつかりつづけ、帯状の白い泡が発生。

15:49
水位非常に高い。
水の音が激しい。
電力職員 「来てる来てる」 「音すごい」

町内放送 警報音
“花渕浜 菖蒲田浜でも 津波が 襲来しております
海岸には 絶対に 近寄らないでください”

町内放送 警報音
“沿岸各地に 津波が 襲来しております
直ちに 避難を 続けてください
沿岸付近に 津波が 襲来しています
直ちに 避難を 続けてください”

15:50
水位手間の防波堤を越え落水。
その際バシュッ、という映画で見るようなサイレンサー(発射音を静かにする装置)をつけた銃の発砲音に近い音を出す。
全員 「ああ・・・・」 の声。

電力職員 「流さって来たわほりゃ」
発電所員、距離にして5mの同僚に「もっと上さ上がるぞ」と同僚に叫ぶも津波の音で声届かず。
七ヶ浜町に最大波が到達と考えられる。
滝のような轟音。

[ 15:50 宮城県仙台湾および福島県沿岸部 最大波到達 ほぼ同時刻に両沿岸部全域壊滅 福島原発浸水 ]

15:51
轟音が続く。
船同士の接触緩衝材が想定していた力を越えてぶつかり続けて居るであろう際のきしみによるギイイイイという音。
船の転覆によるバスン、ザブンという大きいものが転覆したような音と、ベキッ、という太い木がへし折られた音。

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matsushimaOnTamonSanMax
最大波襲来前と襲来中の水位の差を示す。

15:52
紐状のものが空を切りながら着水するような鋭い音。その後重機で木造家屋を破壊するような鈍い音。
町内放送 警報音
“津波の 第一波が 確認されております
引き続き 高台への 避難を 指示します
津波の 第一波が 確認されております
引き続き 高台への 避難を 指示します”

15:55
自動車が何台も海に運ばれていく。

15:57
町内放送 警報音
“7mの 津波が 観測されました
7mの 津波が 観測されました
引き続き高台への 避難を 指示します
津波は 第一波 第二波 第三波と 繰り返しやってきます
絶対に 油断せず 避難を 続けてください”

電力職員 「7メーターだとほりゃ」
本人 「7メーター・・・・」

電力職員 「塩竃もすっかり終わりだな」
電力職員 「塩竃も沈んだべ」

15:59
水位下がり始める。
町内放送 警報音
“津波の 第一波が 襲来しております
直ちに 高台へ 避難してください
津波の 第一波が 襲来しております
直ちに 高台へ 避難してください”

16:01
電力職員 「にいちゃんここの人?」
本人 「私は七ヶ浜なんですけど 七ヶ浜の方は大丈夫でしょうけど 実家の大船渡はおそらく水没ですね」
電力職員 「ああ・・・大船渡もまずそうだね」
本人 「(満潮時)海面50cmなのでまず無理ですね」
電力職員 「うわ」
本人 「終わりですね」
電力職員 「終わりだね」

16:02
水位かなり下がる。

電力職員 「いくらかんでも落ち着いてきた」 (それでもいくらかは落ち着いてきた)