連載 東日本大震災 -はじめに


– いつか来る。 いつでも来る。 必ず来る。 来なくても来る。

わずかな間でいいので、想像してみてください。

あなたが友達のみんなと一緒に海に遊びに来ています。
座っているあなたは「長い揺れ」を感じました。泳いでいる友達は気づいていないようです。

突然「大津波警報」の呼びかけが町内放送で行われはじめました。

そこは津波避難場所の看板もたくさんある町です。
揺れの小ささに疑問を持ちながらも、連日の東日本大震災の報道を見て、もちろんあなたは避難しようとします。

あなたが避難した場所はどのようなところか、
避難するまで何分かかったか、
頭に思い浮かべてください。

写真は被災した宮城県志津川の集合住宅の正面です。
津波避難ビルという大きい看板が防災意識の高さを物語っています。

集合住宅を海側から望んでいます。
4階に漁に使う道具が絡まっています。

1枚目の4階の入り口にもよく見るとスプレーで調査状況がマークされています。




想像した自分の行動はどのようなものでしたか。

友達のみんなは素直に逃げるという判断に従いましたか。
重いパラソルなどの荷物をまとめるのが先でしたか。逃げるのが先でしたか。
渋滞に捕まりませんでしたか。

4階建ての建物の高さを思い出してください。

逃げた場所は、どんなところでしたか。
津波を見ようと、中途半端な高台に逃げませんでしたか。
海から遠いだけで低いところではなかったですか。
避難場所は本当に津波に対して避難場所になりましたか。
想像した自分の行動に悔いが残った場合、何をすればよかったでしょうか。
※明治三陸大津波
津波の遡上高海抜 38.2m
最大震度 「3」

今回の東日本大震災 岩手県宮古市の例
津波の遡上高海抜 39.8m
津波の到達時刻 35分
津波の時速 「115km」