80 東京電力株主総会 3

※今回の話には、かなり主観的な感想が含まれますが、可能な限り偏見は持っていないつもりです。主に東電の経営状況や株価における詳しい説明は省きます。

経営陣の報告は全く記憶に無いくらいどうでもよい棒読みである。
入れない連中が何か暴徒と化しているような悲鳴と叫びが後ろから聞こえる。

会場でも常に怒号。
会長「お静かに!お静かにお願いします!」
前方でのみ、拍手。

所々に織り交ぜられる

「”心”からお詫び申し上げます」

の口調が凄い。絶対申し訳ないとか思ってないぞこいつら・・・
と思ったら、心なんてこもってねーぞ!という罵倒が飛ぶ。
しかし、ここまでの悪人がこの世に居るか?この3ヶ月半の間になんか新しい悟りでも開いてきたんじゃないかと勘ぐってしまう。

主に勝俣会長がしゃべり、次に武藤副社長、わずかに清水社長という順であろうか。空気を説明するのは難しいものであるが、”意志”を持っているのは勝俣会長のみで、他は完全な人形に見える。恐らく、この人物が東京電力の”パワー”だ。

「あんたら原子炉に入って死ね!」
という”質問”も飛ぶ。

「お時間がありませんので、ご質問はあと一人にさせていただきま」
「ふざけるんじゃねーぞ!」
「時間なんて関係ないだろう!」
足を思いっきり地面に踏み込むようなドドドドド・・・と言うような音が聞こえる。揺れる。
質問はやはりしっかりと、カサなんかを掲げている人、と指名し・・・つまりおそらくはサクラを当てる。

動議(株主が出来る提案のこと)も一方的に蹴られる。
動議「議長を不信任にしていただきたい」
会場に居る連中は前方を除くかなりの人が挙手を行うが、何故か5秒以下で数え終わり、
「反対多数で否決されました」
と一瞬で蹴られる。

「遺産を投資してしまった。同じく津波が来た東北電力は20円配給されたんだ 彼らは事故を起こさなかったから・・・」
こんな株主の悲痛な声も聞こえる。

「今はまだ免責が適用されるかどうかは時間がかかるところではありますが・・国の支援などを戴きながら・・・」と、株主の利益を損ないすぎることがないように「国」というワードでフォローを入れる。

むろん福島から見れば平時。原発のダメージがない。対岸の火事。何故か東京より遠い青森の瓦礫が東北という単位でひとくくりに拒否される理屈もすんなり解るのではないだろうか。(東京の瓦礫も答え)

「貴重なご意見を戴いた」

「先ほど解答したとおりであります」

「株主に希望をくれ!」
「ご指導賜りたい」

「脱原発を応援します!」
「どうも、ありがとうございます」

「希望を!」
「具体的な希望を示すことはできません」

どう聞いてもよくわからない解答で、いちいち前方から歓声と拍手が起こる。
意味がわかったのは例を挙げた最後くらいであろう。"no future".

議案は着々と東電の望んだとおりに進む。
「もともと、議決権の過半数は委任されており、こちらにおられる株主様の挙手にかかわらず・・・・」
勝俣会長から説明が入るが、当然怒号。
つまり、株主総会でサクラを除く100%挙手しようが意味はありませんよ、ということだ。

「じゃあ何の意味があるんだよ!」
叫び声が聞こえる。